みなさまがきっと1度は聞いたことがあるモカコーヒー。喫茶店やカフェでも昔から今でも大変人気の商品です。俗にいう「モカコーヒー」と呼ばれているコーヒー豆は主にアフリカ東部にあるイエメン・エチオピアなどが産地です。しかしエチオピアの内戦激化に伴い、現在輸出が止まり、再開の見通し立たたない。との情報が入ってまいりました。
目次
・そもそもなんでモカと呼ばれるのか?
・エチオピアのコーヒーの味わいと特徴
・エチオピアの情勢について
「モカ」の由来は港の名前にあります。イエメンのモカ港から輸出されたコーヒー豆をモカと呼んだことが始まりです。イエメン産だけでなく、今回ピンチのエチオピア産のコーヒー豆も一緒に輸出されていたため、エチオピア産のコーヒー豆もモカと呼ばれています。モカは世界最古のコーヒー豆ブランドともいわれています。
エチオピアのコーヒーの味わいと特徴
エチオピアは、皆様がご家庭で飲んでいるアラビカコーヒー発祥の地といわれています。
コーヒーの起源にはさまざまな諸説がありますが、エチオピアの諸説では、羊飼いの少年が、コーヒーの実を食べているヤギ達を見たことによって、コーヒーの実が発見されたといわれています。俗にいう「カルディの伝説」です。
エチオピアのコーヒー豆は爽やかな酸味が特長で、甘味とコクのあるコーヒーです。
焙煎度合いによって、風味が変わるのも魅力です。浅煎りではエチオピア特有の香りをしっかりと感じられ、フルーティーな酸味とスッキリとした味わいを楽しめます。深煎りにすると、チョコレートのような深いフレーバーを堪能できます。ブレンドでもシングル(ストレート)でも楽しめる、当社でも大人気の商品の一つです。
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しかし大変悲しいことに、現在エチオピアの情勢が緊迫しています。
エチオピアでは政府軍と、北部ティグレ州を根拠地とするティグレ人民解放戦線(TPLF)との武力衝突が昨年より続いています。TPLFが2021年10月末に交通の要衝であるアムハラ州コンボルチャを奪取し、首都アディスアベバへの侵攻を仄めかしたことをきっかけに、アビー首相は国土全体を対象とした非常事態宣言を発出。これを受けて米国をはじめとして複数の国が自国民にエチオピアからの退避命令を出す一方、人道支援に取り組む国連職員が現地で拘束されるなど、事態が急速に緊迫化しています。国連人権高等弁務官ミチェル・バチェレ氏は、ティグレ州の一般市民が極度に野蛮な行為にさらされていると発言しています。現地は大変危険な状態であり、コーヒー豆ののみならず様々な経済打撃を受けている状況です。そんななか、物資の供給も滞ってしまい、国連は6月時点で、推計35万人が飢餓状態にあるとのしています分析を発表しています。
下記は2021年7月から9月までを対象とした最新の資料になりますが、ティグレ州を中心に最悪の「5」レベルの一歩手前である「4」のエリアが広がっています。今後も輸出の見通しが立たないと報告を受けております・・・
(出典:Integrated Food Security Phase Classification)
私たち日本人にとっては対岸の火事なのかもしれません。でもしっかりと影響を受けております。きっと「何十年も行きつけの喫茶店で、いつものモカコーヒーを飲む小さなしあわせの時間」を大切にしている方たちも多くいるはずです。当社としても、見通しが立たない中、エチオピアのコーヒー農家の人々が必死に働いて、世界中に「たくさんの小さな幸せ」を生み出していることを今一度心から感謝し、限りあるコーヒー豆一粒ひとつぶを大切にしなくてはいけないと改めて感じております。
一日でも早く内戦が収束し、未来のこどもたちのために、エチオピア、そして世界が平和になることを心よりお祈りいたします。