新潟市亀田の若松街道沿いにある、赤い看板が目印の「ハウスメイドコーヒーファクトリー ローストカフェ」。ここは、新潟コーヒー界の「祖」ともいえる人物がオーナーバリスタを務める銘店として名高い。そのオーナーの名は、岩崎利治。
美味しいコーヒーを淹れるには、さまざまな条件や要素がある。そのなかで岩崎さんは、コーヒーの味を決定づけるものは「焙煎」であると考え、こだわりぬいた自家焙煎のお店をオープンさせた。
学生時代から、自分でコーヒーを淹れて飲むのが好きだったという岩崎さん。若き日は、「いつか自分で何かやりたいな」と漠然とした夢を抱えながら、14 年間のサラリーマン生活を送った。「いくらコーヒーが好きでも、商売として取り組むのは厳しいのではないか…」そんな暗中模索のなかで、ある日、ある一杯のコーヒーが、独立を決心させる。
そのコーヒーとは…「いや、特になんの変哲もない普通のコーヒーです(笑)」
でも、そのコーヒーはなぜか、人生に悩んでいた岩崎さんの胸に染みこんだ。「なんていうか、胸のなかのわだかまりが消えて、心が洗われた気分になったんです。周りの景色が一瞬で変わった気がしたんですよね。コーヒーには、不思議な力があります。」
当時はまだ「バリスタ」という言葉はおろか、「カフェラテ」ですら世の中に浸透していない時代。岩崎さんは周囲の反対を押し切って、会社員を辞め、エスプレッソと焙煎の勉強に日々の時間を費やした。そして、銘店「ローストカフェ」をオープンさせる。
岩崎さんは現在、新潟バリスタ協会の副会長でもある。バリスタチャンピオンシップに新潟代表として参加したり、新潟のカフェ文化の発展のために精力的に活動するなど、その影響力は大きい。新潟県内の各地では、「岩崎チルドレン」と呼ばれる若手バリスタも数多くいる。
そんな岩崎さんの考えるバリスタとは何だろう。
「遠くの国で一生懸命に働いている生産者、そしてその貴重な生豆を焙煎する新潟バリスタ協会、そんなコーヒーに関わるすべての人たちの想いを代表して、架け橋のように“大切な一杯” をお客さまに届ける。それがバリスタです。」
「お店を開くときに大事なのは、場所じゃないんですよ。“いいお店” にすれば、自然と人は集まってくれます。」とも岩
崎さんは言う。“いいお店” の、“大切な一杯”。ローストカフェの魅力はとてもシンプルだ。
CAFE INFORMATION ローストカフェ住所:〒950-0134 新潟県新潟市江南区曙町3 丁目2-7 |